がん再発の心得

小倉智昭さん(77歳)が亡くなられたというニュース。
死因などは明らかになっていないが、2016年に膀胱がんを公表し、
肺にも転移するなど長く闘病生活を続けていたそうだ。

経済アナリストの森永卓郎さん昨年12月27日にすい臓がん(ステージ4)の診断を受けた。
その後原発不明がんとされ、免疫療法薬による治療を行っている。
『がん』の方は今のところ、小康状態と言うが、
最近では、腫瘍マーカー(CA19-9)が爆上がりしているのだそう。
CA19-9が上がるということは、一箇所のガン細胞が急増殖しているか、
体内の複数個所で癌細胞が活性化している可能性がある。

ベッドの上で治療や療養に専念するのがご本人の為なのか、
残りの人生を懸命に生きることが良いのかは本人次第だが、俺は後者を取りたい。

今から4年前の2020年10月、俺は肝細胞癌を腹腔鏡手術によって切除した。
肝硬変から肝臓がんになる可能性が低くないということも分かっていた。
予習として肝細胞癌の勉強も怠らなかった、断酒も肝硬変の治療も順調そのものだった。
「こんなに頑張っているんだから、癌だけにはなりたくないな」 いつもそう思っていた。
肝硬変と診断された時も無症状だった。肝硬変は数値も良好、腫瘍マーカーも問題なし。
だが、蓋を開けてみたら、8mmの影が映っただけで待っていたのは「切腹」だった。

切除した肝細胞癌の画像を見せられショックを受けているはずが、なぜかスッキリしていた。
きっと1ヶ月以上モヤモヤさせられたその反動から来るものだろう。
癌細胞早期発見及び切除できたので早くにリセットボタンを押すことが出来たと思うようにした。

肝臓がんは術後5年以上経っても安心出来ない治療が困難ながんである。
残された寿命を術後10年と仮定してそこから逆算すれば、今やるべきことが見えてくる。
失ったことを取り戻すのではなく、別の形で得たものがあると考える。
少し見方を変えることで、気持ちが楽になる。

再発を告げられたときの強いショックを乗り越える精神力が大切。
場合によっては厳しい現実を知らされるかもしれないが、
支えてくれる家族や親しい人の力も借りることも必要、ひとりで立ち向かう必要はない。

気が早いかもしれないが、覚悟しておくことは重要だと思う。
今後、がんが再発したことがわかったとき、
怒り、喪失感、無力感、悲しみ、罪悪感など耐え難い気持ちが押し寄せるだろう。
すべてを放り出してしまいたいという気持ちになるかもしれない。
だが、いつも明るくしている必要はないし、元気なふりをする必要もない。
計り知れない大きな衝撃を受けながらも、生きていること、
持ちこたえていることそのものがとても重要なことだと思う。


つづく。


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